「屋根塗装をDIYでやってみたい」と考える人もいるのではないでしょうか。
実際、屋根塗装を自分でやると20万~40万円ほど、プロに依頼すると40万~100万円ほどかかることもあり、DIYのほうが安く抑えることができます。
そこで、今回は屋根塗装を自分で行う場合の道具や流れについて詳しく解説します。
最後にプロに依頼する場合との比較もしているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
屋根塗装のDIY費用はどれくらいかかる?
屋根塗装のDIYにかかる費用相場は、一般的な住宅でおよそ20万~40万円ほどかかります。
・塗料などの材料費:10万~20万円
・一式の道具:5万円
・足場費用:5万~15万円
ただし、使う塗料や住宅の構造によっても費用が異なるので、あくまで概算と思っておくと良いでしょう。
屋根塗装のDIYで必要な道具・材料
屋根塗装のDIYには、専用の必要な道具や材料を揃える必要があります。
具体的に必要な道具や材料について、「塗装の準備」と「実際の塗装作業」と分けて見ていきましょう。
塗装の準備
塗装の準備として用意すると良い物は以下の通りです。
掃除(下地処理) | 安全対策用 |
---|---|
・高圧洗浄機 ・ワイヤーブラシ ・ヤスリ ・ほうき ・ぞうきん | ・ヘルメット ・安全帯 ・ゴーグル ・マスク |
塗装を塗る前に、表面の汚れを取るための掃除(下地処理)を行うためにさまざまな道具が必要です。
ほうきやぞうきんといった基本的な掃除用具はもちろん、屋根は手の届かない部分も多いので高圧洗浄機やワイヤーブラシなど本格的な用具も持っておくと良いでしょう。
高圧洗浄機では屋根表面の汚れや苔、古い塗膜などを洗い流し、それでも落ちない汚れやサビをワイヤーブラシやヤスリで除去できます。
また、作業を行う上では安全対策も重要です。
例えばヘルメットや安全帯、ゴーグルやマスクなどを使うことで事故を防いで安全に作業をすることが可能になります。
実際の塗装作業
塗料を塗るのに必要な道具 | あると便利な道具 |
---|---|
・塗料 ・塗料を混ぜる棒 ・ローラー ・ハケ ・バケツ | ・スクレーパー ・マスキングテープ ・ポリシート ・コーキング&シーリング用品 |
塗装作業に必要なものは、塗料やローラー、ハケ、バケツなどの塗装道具一式です。
塗料を塗るときは3回に分けて塗るのが基本で、「①最初+②2回目・最後」と2種類の塗料が必要になるので注意しましょう。
屋根塗装に必要な道具のほとんどはホームセンターでも揃えられますが、一般的に売られている塗料は用途別に分かれていないものが多いので注意が必要です。
そのため、塗料だけは塗料販売店などの専門店で購入するのが確実でおすすめです。
屋根塗装の流れを詳しく解説!
屋根塗装をDIYで行うには、正しい流れを理解しておくことが重要です。
足場の設置
できれば費用をかけても足場を設置する
まず、足場の設置や周辺の養生を行いましょう。
足場がなくても屋根に登れる方法があれば、足場がなくても塗装自体は可能です。
しかし、屋根の端などは足場がないと危険性が高く、基本的には足場を設置することをおすすめします。
ただし、足場の設置は素人ではできないので業者に依頼する必要があり、費用の目安は5万~20万円となります。
足場・周辺の養生
足場や周辺の養生をしっかり行うことで、周りの住民にも迷惑をかけない
足場はもちろん、足場を設置しない場合でも周辺の養生は重要です。
屋根裏や雨どい、外壁など、塗料を付けたくない部分をメッシュシートやマスキングテープで養生することで、きれいに仕上がるのでしっかり行っておきましょう。
また、養生していないと周辺の住宅に飛び散ってしまうこともあり、トラブルを防ぐ効果もあります。
下地処理を徹底することで塗装の密着力を高める
下地処理を徹底して塗装の効果を高めよう
屋根塗装は下地処理をしっかりと行うことで、後々の塗装の仕上がりにも影響する重要な作業です。
高圧洗浄機で広範囲の汚れを取り除いたあと、ワイヤーブラシやヤスリで細かい部分を丁寧に取り除きましょう。
もし下地処理が甘いと、塗装を塗ってもすぐに剥がれてしまうので二度手間になったり、見た目の仕上がりが汚くなることもあるので注意が必要です。
塗装作業(下塗り・中塗り・上塗り)
面倒でも3度塗りをする
塗装作業は、「下塗り・中塗り・上塗り」の3回に分けて塗っていきます。
塗料メーカーでも三度塗りで最も耐久性が発揮できるように設計しているため、手抜きせずに行っていきましょう。
下塗り | 中塗り | 上塗り |
---|---|---|
・以前の塗膜の効果を消す・上塗りの外壁の密着性を高める | ・下地の凹凸や色ムラを均一に整えて仕上がりを美しくする・上塗りの塗料の密着性、耐久性を高める | ・塗装面の保護や耐久性を高める・色の均一化や光沢感を出すことで品質を高める |
下塗り作業は、「金属屋根」と「金属屋根以外」で行う作業が異なります。
金属屋根の場合はさび止めを「下塗り」として塗り、金属屋根以外の場合は塗料を密着するように塗っていきます。
3~24時間ほどしっかりと乾燥させたあと、ムラがないよう中塗り・上塗りを行っていきましょう。
乾燥時間は湿気や季節によっても異なり、早く乾かしたいなら春・秋などの雨が降らない時期がおすすめです。
しっかり乾燥させないと、剥がれやすくなったり美しく仕上がらないなど、悪影響が出てしまうので注意が必要です。
縁切り作業
縁切り作業を行うことで雨漏りを防ぐ効果がある
屋根にすき間をつくって水の通り道を確保することを「縁切り」といいます。
このすき間は雨漏り防止に必要な工程で、すき間をつくることで屋根内部に雨水が貯まるのを防ぐことができます。
しかし、屋根塗装をするとこのすき間が埋まってしまうので、塗りつぶしたすき間をスクレーパー(カッター)で再度作りましょう。
足場の解体・清掃
すべての作業が終わったら、業者に依頼して足場を解体しましょう。
解体が完了したら、清掃をして屋根塗装の一通りの作業は完了です。
屋根塗装をプロに依頼するメリット!費用や仕上がりで比較
屋根塗装をプロに依頼するメリットについても気になる人も多いでしょう。
実際に、「仕上がり」「耐久性」「費用」の3つで比較してみました。
プロ | DIY | |
---|---|---|
仕上がり | ◎ | △ |
耐久性 | ◎ | △ |
費用 | △ | ◎ |
屋根塗装をDIYするメリットは「費用を抑えられること」ですが、仕上がりや耐久性は正直プロの手には敵いません。
費用に関しては、DIYだと20万~40万円、プロだと40万円~100万円程度が相場となります。
たしかに業者のほうが高いですが、実は業者に依頼したほうがお得なケースもあります。
まず、屋根塗装を業者に依頼する場合、「補助金・助成金」が使える自治体があることです。
自治体によっても異なりますが、10万~20万円ほどが多く、DIYではもらえないので注意が必要です。
また、屋根塗装は塗るだけではないためDIYの中でも難しい作業です。
例えば、塗料の乾燥が十分でなかったり下地処理が甘い場合、1年以内に塗装が剥がれてしまって再塗装が必要になるケースが多いです。
失敗すると最終的に業者に依頼することになると思いますが、その場合はDIYした費用が無駄になってしまいます。
DIYで屋根塗装が上手くいくのは難しいため、最初からプロに依頼することをおすすめします。
まとめ
屋根塗装をDIYすると「費用を抑えられる」のがメリットですが、正直リスクのほうが高いです。
DIYは費用を抑えられるといっても道具に20万~40万円ほどかかり、失敗すると最終的にプロに依頼することも多いため揃えた道具代・手間が無駄になってしまう人も少なくありません。
また、業者に依頼する場合と比べても塗装が剥がれやすく、塗料が飛散することもあり、近隣住民からクレームが入って賠償請求が発生するトラブルが起こることも。
安心して住むためには費用をかけてもプロに依頼することをおすすめします。